ヨットって? その6 教わりたくない!?


スクールには行きたいけどヨットは教わりたくない。

ときたまこういう方、お出でになります。

矛盾してるようだけど、お気持ちはわかります。

その場のリアルさにそぐわない、またはリアルさがないときのアドバイス…伝わりにくいんです。

たとえば、微風のときに強風の注意点、陸上での抽象的な講義などなど。

リアルさ…切羽詰まった現実感に溢れ、出てきた課題が超具体的とでも言うんでしょうか。

こんな場面でのアドバイス、耳だけじゃなく体に染み込みます。


そういう場面でもないときに言葉だけで感覚を伝えるのはほぼ不可能です。

教わりたくない、という方の理由もこの辺のことでしょうね。

小型軽量ひとり乗りのヨットって、切羽詰まった具体性に満ち溢れているんです。

小さいし、安定しないし、すぐに風上に回ろうとするし、すぐ傾くし、風が強ければ沈だらけ。


こんなのに一人で乗ったら現実感満点。

走り出したらまっすぐ行きましょう、傾こうが、波が来ようが、なにがあってもまっすぐでぇす。

ラダー(舵)からティラー(舵棒)に伝わるヘルム(圧力抵抗)に負けず、針路保持するとググっとスピードアップ。

ただひたすらの針路保持、これでセイリングの何かを丸ごと把握。


ひとりで乗ってみると、風の圧力とその変化、波のパワーとその威力、その変化のプロセスまで実感できます。
これ、言葉では伝わらないでしょう。

こういう、複雑だけれどもそれなりの原理原則を持っているパワーのことを言葉で伝えようとするとどうしても抽象的にならざるを得ません。

その場面をイメージできるだけの経験を持った方なら、言葉だけでも伝わる場合もありますが、多くの場合理解が中途半端に終わります。


ひとりで乗って、次から次へと出てくる課題に向き合った経験がすべての答えを生み出すベースとなるんです

ヒール(風上側が持ち上がること)でかい、ティラー重たい、どうしよう!?

メイン緩めよぉ! ちょっとだけ上(風上側)に向けよぉ!

このアドバイスがどういう意味を持つのか、その効果と共に実感もってモロ理解しちゃいます。

そしてほどなく(5分もあれば)アドバイスどおりだけでなく、その程度やタイミングも計るようになります


アドバイスがあっても、その実践は、まったく自分だけの判断。

だから自分のセイリング。

自分のだからおもしろい。

自力で解決、ワハハ、私もなかなか…

でも、アドバイス生かせればそのとき、そのときダメでも後からわかる対処の仕方

ヨットって、教わるモンじゃないんです。

自分の判断、推理、予想、体力、第六感までぜ~んぶ駆使して、見つけるぞ、自分だけのセイリング。

楽しそうでしょ。

 

 

 

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